曲の打ち込みを始め方は人それぞれですが、僕も含め多くの人がドラムから打ち込んでいくパターンが多いのではないかと思います。
(ドラム以外のパートから打ち込むということを批判するものではありません、あしからず)
特に今回のように、もともとある曲をコピーする場合はドラムから打ち込んでいくのが楽だと思います。
レベッカのドラムは小田原豊さんです。タイトなスタイルがかっこいいですね。ドラムのことは詳しくありませんが、当時甲高い音の薄いスネアをメジャーにした人ではないでしょうか。
では実際にドラムのパートを打ち込んでいきましょう。
テンポを測る
僕はまずある程度テンポが決まらないと気持ち悪いので、まず簡易的にテンポを測ります。
いきなりリズムを入力してループ再生して原曲を再生しながら合わせていってもいいのですが、別の方法として「BPMカウンター」というWebアプリを使ってみたいと思います。
今は何でもWeb上で探せば出てくるんですね。いい時代です。


使い方は至ってシンプル。
曲を流しながら曲に合わせてスペースキーを叩くだけ。なるべく長い時間再生し回数を多く叩いたほうが正確に計測できます。
YouTubeに合わせて測ったところ156.94BPMでした。
これをCakewalk上に入力します。

トラックの作成
下準備が整ったので、早速トラックを作成していきましょう。
以前のページをご覧になった方は知っていると思いますが、トラックには大きく分けて2種類ありました。オーディオトラックとインストゥルメントトラック(MIDIトラック)です。
打ち込みはインストゥルメントトラックですので、これを作成します。
トラックの追加の「+」のボタンをクリックするとオーディオトラックとインストゥルメントトラックが選択できますので、インストゥルメントトラックを選択し、インストゥルメントを指定して最後に作成をクリックするとトラックが作成されます。

音色の選択
Cakewalkでドラムを打ち込む際、特に追加の音源をインストールしていない場合インストゥルメント(音源)は「TTS-1のドラムキット」か、よりリアルな音色の「SI-Drum Kit」のどちらかを選択することになると思います。
僕の勝手な感想ですが、SI-Drum Kitはかなりリアルでドラム単体で聞く分にはクオリティは高いと感じますが、他の楽器と混ざったときに妙に浮いた感じになってしまい違和感を感じてしまいました。
一方のTTS-1のドラムキットは他の楽器に馴染んでくれて、いわゆる『オケ馴染みがいい』と感じたので、僕はTTS-1のドラムキットを好んで使うことが多いです。人それぞれですが参考まで。。。
今回もTTS-1のドラムキットを使ってみようと思います。
TTS-1のドラムキットでもさらにいくつかのドラムの音色が選択できますが、色々試聴した結果、「Power Set」という音色が、80年代っぽさをうまく表していてフレンズに会うのではないかと思いました。
TTS-1はピアノの音色がデフォルトなので、これをPower Setに変更します。

トラックの上にある鍵盤のアイコンをクリックするとTTS-1が開くので1番左の音色をPiano1からPower Setに変更します。変更ができたら、TTS-1は閉じてしまって構いません。
打ち込んでみる
では実際に打ち込んでみましょう。
ドラムの打ち込みはピアノロールでももちろんOKですが、以前紹介したステップシーケンサーもシンプルで使いやすいと思います。
ステップシーケンサーを使った打ち込みの方法はこちらを参考にしてみてください。

ドラムを打ち込む際のルールというほどではありませんが、よくあるお決まりとして2小節目から打ち込むという暗黙のルールがあります。
これは打ち込みに合わせて生の楽器を演奏する際にカウントを入れることがありますが、あとから先頭に1小節挿入しようとすると妙に面倒くさいので、初めから2小節目をスタートにすることが多いです。
カーソルを2小節目に合わせてからステップシーケンサーの打ち込みを始めましょう。
ステップシーケンサーを表示させるには、メニューバーの「表示」→「ステップシーケンサー」ですね。
上に貼った以前のページを参考にして、ノートを割り振っていった状態が下のスクショです。

BDとかSnareとか、名前は僕が勝手につけていますが、その右の数字を同じにすると同じ音色が鳴ります。
最初の小節はこんな感じですね。

最初の小節だけシンバルが入っていますが、2,3,4小節はシンバルがないので、1小節目をコピーし、2小節目はシンバルを抜いて3,4小節にコピーしてみましょう。

先程打ち込んだ1小節がこのように2小節目に作成されています。
青で囲った部分をクリックするとこのクリップが選択された状態に変化します。
下が選択された状態です。

この状態でCtrl+Dを押してみましょう。この小節の後ろにコピーが作成されます。

クリップの左上に[2]と表示されていますが、これは同じパターンが2つ並んでいるという意味です。
しかし、先頭にシンバルが入っているパターンは最初だけしか必要ありませんので、2つ目のパターンからシンバルを消したいと思います。
ただ、この2つの小節はリンクしているため、片方の小節からシンバルを消すともう片方も消えてしまいます。ステップシーケンサーの小節のコピーはこのようにリンクしてコピーされていると考えてください。
では、このリンクを切って、2小節目だけシンバルを消すにはどうしたらよいかというと、2小節目のクリップの上で右クリック→「ステップシーケンサークリップのリンク解除」をクリックします。

すると先程までクリップの左上に表示されていた[2]がなくなり、それぞれ独立したクリップとなりました。この状態で2小節目のシンバルを消しても1小節目は変化しません。
これで2小節目のクリップを選択した状態で右クリックし、「表示」→「ステップシーケンサー」をクリックすると2小節目のステップシーケンサーが下に表示されるので、シンバルを消します。

これでパターンの①作成、②コピー、③修正ができるようになりました。
これができればあとはひたすらパターンを作って並べていくだけです。
パターンを並べるときに便利な小技
ドラムパターンを並べて編集する際にいくつか便利な小技を紹介します。
クリップのグルーピング
今、ここまでの段階では1小節目と2小節目しか出来上がっていませんが、1小節目を①、2小節目を②とすると、
①②②②②②②②’ ①②②②②②②②’’
という16小節で出来上がっています。また、間奏はほぼ同じパターンの8小節で構成されています。
ですので、8小節を一つの塊とすることで、再利用が簡単になりそうな感じです。
では8小節の塊を作ってみます。
まず、今は①と②の2つの小節しかありませんので、②を6回コピーします。前にも出てきましたが、コピーはCtrl+Dですので、②を選択した状態でCtrl+Dを6回連打します。すると下のようになります。
(もし8小節全てが表示しきれていない場合は、このスクショの右下にある虫眼鏡のマイナスをクリックすると全体が表示されます)

この状態は ①②②②②②②② ですね。
よく聞くと8小節目の②は最後の1拍にクラッシュシンバルが入っているので、8小節目だけ編集します。
この小節だけ切り離して編集するのは「ステップシーケンサークリップのリンク解除」でしたね。8小節目だけリンクを解除してクラッシュシンバルを入れます。
8小節目だけ②から変化していることがわかるようにクリップ表示部を見やすくしましょう。
下のスクショの左端にピアノの鍵盤のようなものが表示されていますが、ここのマウスカーソルを合わせ、右ドラッグをするとステップシーケンサーと似たようなパターンが表示され、見やすくなります。

1小節目と8小節目だけシンバルが入っているのがわかると思います。
できたらこの1~8小節までを再利用しやすいようにグルーピングします。
まず、1小節目を左クリックで選択、その後、8小節目をShiftキーを押しながら左クリックすると1~8小節すべてが選択された状態になるので、その上で右クリックをするとポップアップメニューが表示されるので、「クリップのグルーピング」を選択します。

これを行うとグルーピングされ、1つのグループとして選択できるようになるので、コピーなどの再利用が簡単になります。
フレンズではこの8小節とほぼ同じパターンがもう一回続くので、このグループをCtrl+Dでコピーしましょう。
クリップのリネーム
ステップシーケンサーで作ったパターンはたくさん作っていくと、何がどのパターンだったかわからなくなり、その都度再生して確認する事になり、非効率です。
できるだけ視覚的にわかるようにするためにクリップに名前を付けることができます。
フレンズの場合は、2小節目のパターンがシンバルもタムも入っていない1番ベーシックなパターンなので、2小節目になんでもいいのですが、ここでは「Basic」という名前をつけましょう。
クリップの上のバーをクリックしてしまうとグループの8小節すべてが選択されてしまうので、2小節目だけ選択したい場合はバーではない、その下をクリックするとその小節だけが選択されます。
その状態で右クリックをすると「クリップのリネーム」が表示されます。

ループ再生
これもよく使う機能です。
ステップシーケンサーの画面での再生ボタンは、そのクリップだけをループ再生してくれますが、複数のクリップをまたがるようなループ再生は画面上側のクリップ表示部のタイムルーラーというところをを使います。
これも文字で説明するよりも動画のほうが早いと思いますので、そちらを見てください。

まずループモジュールのループON/OFFのアイコンをクリックし、ループをONにします。
するとタイムルーラーにループ区間を示す黄色のマーカーが現れます。
マーカーの上にカーソルを合わせるとカーソルが「L」という表示に変わりますので、その状態で左ドラッグするとループ区間が設定できます。
ループ再生を解除したい場合はループモジュールのループON/OFFのアイコンをクリックし、ループをOFFにすればループ区間の表示が消えて解除されます。
ループ区間の設定方法はもう一つあり、先に範囲選択をしておいてから、ループON/OFFのアイコンの下にある、「選択範囲をループ区間に設定」というアイコンをクリックすると、その選択区間がループ区間にセットされるので、この方法も覚えておくといいでしょう。
この他にも打ち込みに便利な機能がありますが、また別の機会にネタを取っておきたいと思います。
まとめ
今回は楽曲の基礎となるドラムパターンを打ち込んでいきましたが、ドラムは他の楽器のように音程を考える必要はなく、音色も最初に決めてしまえば基本的に頻繁に変えるものではないので、打ち込みでの編集作業に集中することができ、編集作業のコツを掴むことができるのではないかと思います。
これからベースやキーボードなどを打ち込んでいくわけですが、これらは考えることが多くなるので、今後編集作業に躓いているとやる気にも影響が出てきてしまうので、ドラムパターンの打ち込みの段階で編集作業に慣れておくといいと思います。
では最後に、打ち込みが終わったファイルを上げておきます。
後ろに薄~くオリジナルの音源を入れています。
こんな感じで、次回はベースを重ねていきたいと思います。
ではでは
コメント