【初心者向け】Cakewalkでトラックにエフェクトを掛ける

Cakewalk By Bandlab

Cakewalkで打ち込みをやっていますが、ギター同様エフェクトが重要になってきます。

ギタリストであればエフェクトそのものについては説明する必要はないと思います。

ギターはギターだけのエフェクトを考えれば良いのですが、DAWは複数トラックがあり、それぞれのトラックに別々のエフェクトを掛けることが普通で、なおかつそのバランスを考えなければならないので難易度は増します。

今回はそのように複数のトラックにエフェクトを掛ける方法がいくつかあるのでそれについて書いていこうと思います。

スポンサーリンク

エフェクトのかけ方の種類

DAWでエフェクトを掛ける方法はいくつかありますが、大きく分けると2つあり
・トラックごとにエフェクトを掛ける
・複数のトラックにまとめてエフェクトを掛ける
に分けられると思います。

それぞれについて説明したいと思います。

トラックごとにエフェクトを掛ける

例えばボーカルのトラックだけにエフェクトを掛けるといった場合にこのような使い方になると思います。

もちろんトラックごとにエフェクトを掛けるので、自由度は最も高いですが、デメリットもあります。

デメリットとしては、同じエフェクトをそれぞれのトラックで別々にかけた場合、トラックごとにPCのリソースを消費するので、CPUパワーやメモリを食います。

また、あえて設定を分けたい場合は別ですが、各トラックで同様に設定を変更したい場合はトラックの本数分設定を変更する必要があり非常に煩雑で、場合によって変更忘れも出てきてしまいます。

いくつかのトラックをまとめてエフェクトを掛ける

残響をシミュレートするリバーブや、音圧を増すためのコンプレッサなどはトラックをまとめてエフェクトを掛けることが多いようです。

特にリバーブは空間の残響をシミュレートするわけですから、その空間の設定がトラックごとに違っていたら辻褄が合わなくなってしまいます。
もちろんあえてそのような効果を求める場合は別ですが。

このようにいくつかのトラックをまとめてエフェクトを掛ける場合もいくつか方法があります。

基本的にはできるだけまとめてエフェクトを掛けるように組み立てつつ、トラック別にエフェクトを掛ける必要がある場合だけトラック別に掛ける方がいいでしょう。

スポンサーリンク

エフェクトのかけ方

トラック別にエフェクトを掛ける方法

これは比較的シンプルです。

トラックビューでもコンソールでもどちらでも同じ結果が得られますが、今回はトラックビューでやってみましょう。

トラックビューでFXと表示されているところの左側の電源マークのようなものがオレンジに点灯していることを確認して右のプラスマークをクリックします。

FX insert

するとメニューが表示されるので、「オーディオFXの挿入」からエフェクトを選択していきます。

今回は Modulation → Sonitus Modulatorを追加してみましょう。

Insert Modulation

すると、Sonitus Modulatorがトラックに挿入されると同時にSonitus Modulatorの画面が表示されます。

基本的にこれでエフェクトの挿入は完了です。

せっかくなので、効果的なエフェクトを掛けてみましょう。

右上に「Preset」というボタンがあるので、これをクリックし、Ensemble → Default Ensenbleを選択してみます。

エフェクトを掛ける前とかけたあとを比較してみてください。音に左右の広がりができて、ステレオ感が増したと思います。

DAWで打ち込みをやるとどうしても音がセンターに寄りがちで、妙に平面的な音になってしまいますが、これを使うと簡単に左右への広がりを増すことができます。

設定ができたらSonitus Modulatorの画面は閉じてしまって構いません。

再度設定をいじるためにSonitus Modulatorの画面を開きたい場合は、下のスクショのSonitus Modulatorと表示されているところをクリックすれば画面が開きます。

After Insert

なお、Sonitus Modulatorの設定を残したまま、バイパスさせたい(エフェクトを掛けない)ときは、Sonitus Modulatorと表示されているボタンの左の電源ボタンをクリックするとグレーアウトして、バイパスされていることがわかります。

またSonitus Modulatorと表示されているボタンにマウスを乗せるとボタンの右側にプルダウンを表示させる矢印が出てきますが、これをクリックするとSonitus Modulator自体を消去する、「削除」が選択できますので、気に入らなければ削除しましょう。

また、Sonitus Modulatorの上のFXの表示がもともとの「FX」から「FX(1)」になっていると思いますが、エフェクトが1つ掛かっているという意味です。
こちらのFX(1) の左の電源ボタンはこのトラックに複数のエフェクトが挿入されている場合にすべてのエフェクトを一括してON/OFFするためのものです。

なお、いろいろ試した結果エフェクトを使わなかった、という場合はエフェクトそのものを削除しておくことをおすすめします。

理由は前にも書きましたが、エフェクト自体それなりにCPUパワーやメモリーを消費しますので、ひどい場合には音飛びなどが発生します。

複数のトラックに一括してエフェクトを掛ける方法

こちらはちょっと操作が複雑です。

考え方としては、新たに「バス」と呼ばれる信号の通り道を用意し、そこにエフェクトをかまします。そしてそのバスに複数のトラックからの信号を流してやるということをします。

基本はこの考え方ですが、細かく分けるとこの方法も2種類あり、目的によって使い分ける必要があります。

一つは「センド」を使う方法と、もう一つは直接バスに流し込む方法です。

最初に考え方を説明しておくと、センドですがこれはギターアンプやギター用エフェクターで使われているセンドとはちょっと違い、「リターン」がありません。センドは送るという意味ですが、送ったら送ったままです。

エフェクトのかかった音はもとのトラックにもどってくるわけではなく、Masterという最終的な出力先でミックスされます。

また、エフェクトのかかっていない音もMasterへ送られているので、生音も混ざった音が出力されます。

整理すると、センドで音を二股に分岐させ、一方をエフェクト用のバスに、もう一方の生音はそのまま出力します。

もう一つの直接バスに流す方法は、センドを使わないので音を分岐させることがないため、生音を残したくないようなエフェクトを掛けたい場合に使います。
(厳密にはセンドを使っても生音を残さないということはできますが、普通はやりません)

考え方が理解できたと信じて実際にやってみます。

新しいバスを挿入する

まず、センドを使う方法でも直接バスに流す方法でも、新たに「バス」を作る必要があります。

作り方はコンソールで一番右端のなにもないところで右クリックをし、ステレオバスの挿入をクリックします。

Stereo Bus Insert1

もし、コンソールそのものが表示されていなかったら、ツールバーの「表示」→「コンソールビュー」をクリックするかAlt+2で表示させます。

それでもこのMaster, Metronome, Previewのバスが表示されない場合があります。その場合は下のスクショのように隠れているだけなので、この部分を左にドラッグすれば現れます。

Insert Bus 2

ステレオバスの挿入が成功すると、下のようになるので、「バスD」というところをダブルクリックしてわかりやす名前をつけましょう。ここではリバーブとします。

Inserted Bus 1

次にこのバスに対してエフェクトを挿入していきます。

下のように、FXの右にあるプラスマークをクリックして「オーディオFXの挿入」→「Reverb」→「BREVERB 2 Cakewalk」をクリックします。

するとBREVERB 2が立ち上がって、バスにも表示が現れます。

BREVERB2 Inserted

とりあえず今回はお試しなので、左から適当にプリセットを選んでみましょう。リバーブの効果が強烈そうなHallの「7.Cathedral」を選択したら、BREVERV 2は閉じてしまいましょう。

これで新しいバスとそれに掛けるエフェクトが用意できました。

各トラックのセンドを設定する

ここからはそれほど難しくありません。

コンソールビューからセンドの設定をしていきます。

各トラックのフェーダーの上にある「Sends」というところを表示させます。表示されない場合はマウスホイールでスクロールさせると表示が出てくると思います。

Sendsの右にプラスマークがありますがこれをクリックするとセンド先を選択するポップアップメニューが表示されるので、その中から先程作成した「リバーブ」を選択します。

Select Send Bus

するとそれまで薄く表示されていたSendsのところが明るく表示され、センド先に「リバーブ」のバスが設定されていることがわかると思います。

Send Set

ここで設定できるのはセンドプリ/ポスト、センドレベル、パンの3つです。

センドレベルとパンについては特に説明の必要はないと思いますが、Tipsとして調整の際、微調整したい場合はShiftキーを押しながらマウスでドラッグすると変化が緩やかになり微調整しやすいです。

また、つまみの左上をダブルクリックすると直接数値入力できるボックスが表示され、手入力できます。

注意が必要なのがセンドプリ/ポストの設定です。

センドをプリに設定する、つまりボタンがオレンジに点灯していない状態ではセンドレベルに応じた出力でバスに出力されます。

一方のオレンジに点灯している状態はポストセンドの状態で、一番下に表示されているボリュームフェーダーを通ったあとの信号が出力されます。

もう少しわかりやすく言うと、ポストセンドはセンドレベル+フェーダー両方のボリュームの影響を受けるということです。
ポストのときはフェーダーでボリュームをコントロールするとそれに比例してバスに出力される信号も弱くなります。

上のスクショの場合、左のトラックはSendsのLevelのつまみだけでセンドレベルが決まり、赤で囲ったフェーダーの影響を受けません。右のトラックはSendsのLevelとフェーダーの影響を受けます。

この使い分けは時と場合によって変わりますが、ポストのほうが失敗は少ないのではないかと思います。
プリにしておくと、フェーダーで音量を絞ってもセンドには音量を絞る前の出力でバスに信号が流れるので、おかしなことになってしまいます。

センドを使わない方法

センドを使ったエフェクトのかけ方は、センドで信号を二股に分けてセンドからエフェクトを掛けたいバスに信号を送り、もう一方からは生音をMasterに送るというものでしたが、生音をミックスさせる必要は一切なく、エフェクトのかかった音だけほしいという場合はセンドを使わない方法が確実です。

設定方法は各トラックの出力先をMasterからエフェクトバスに変更してやるだけです。

Change Output Bus

上のようにコンソールの一番下にある、出力先がMasterとなっているところをクリックするとポップアップが表示されるので、「リバーブ」を選択することで設定は完了です。ここでは9番と10番のトラックの出力先を「リバーブ」バスに変更してみました。

Set Output Bus to Reverb

この方法ではセンドで信号を二股に分けない分、生音無しで確実にエフェクトを掛けることができますが、問題点としては、エフェクトの掛かり具合とボリュームが比例してしまい、他のトラックとのエフェクトの掛かり具合のバランスを取りにくいということがありますので、使える場面は限られるかもしれません。

スポンサーリンク

まとめ

念のためですが、うまく「リバーブ」というバスに信号が流れているかを確認してみたいと思います。

Confirm Signal Chain

このように「リバーブ」のバスのレベルメーターが振れていればOKです。

DAWはたくさんのトラックで構成されているので、どのトラックにどのくらいの強さでエフェクトを掛けるのかということを設定するのがなかなか大変です。

更にエフェクトも意外にPCのリソースを消費するので無駄なく効果的に使い、かっこいい曲に仕上げましょう!

ではでは

コメント

タイトルとURLをコピーしました