Cakewalkで簡単なドラムパターンを打ち込む

Cakewalk By Bandlab

Cakewalkで打ち込みをするときに、まず最初に打ち込むパートはドラムからという人が多いのではないでしょうか。

Cakewalkでドラムパターンを打ち込む方法はいくつかありますが、今回は比較的シンプルな打ち込み方法であるステップシーケンサーを使った打ち込み方法を書いていきたいと思います。

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ステップシーケンサーとは

ステップシーケンサーとは、音程が少なく、同じパターンを繰り返すパートを打ち込むときに便利なように考えられた打ち込み方法です。

ドラムのように音程が少ない(打ち込みの際のドラムの音程とは、太鼓やシンバルの種類のことです)がある程度限られていますし、何小節か同じパターンを繰り返すということが多いと思います。そのような場合の打ち込みにステップシーケンサーを使うと楽に打ち込むことができます。

他の打ち込み方法としては、ピアノロールウインドウを使った打ち込みや、リアルタイムでMIDIキーボードなどのデバイスを使った打ち込みなどがあります
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ステップシーケンサーを呼び出してみる

新規プロジェクトで、最初のトラックをドラムトラックとして、ドラムはTTS-1のStandard Drumを使い、ステップシーケンサーで打ち込む流れで解説したいと思います。

トラック1の音源をTTS-1として作成します。ここまでは解説不要かと思いますが、念のためTTS-1でトラックを作るところまでを参照したい人は下のリンクからどうぞ。

TTS-1のトラックを1つだけ作成した状態は以下のようにな状態になっていると思います。

Start Screen

ステップシーケンサーを呼び出すには、「表示」→「ステップシーケンサー」を選択するか、ショートカットキーであれば「Alt+4」で表示されます。すると画面下半分がステップシーケンサーの画面になると思います。

Step SQ Start

マス目がたくさん並んでいるので、ここにノートを置いていくんだろうな~なんてことは想像できると思いますが、その通りで、マウスを使ってポチポチノートを置いていきます。

ただ、このままだとTTS-1ではデフォルトの音色がピアノのままなので、この状態ではピアノの音で打ち込むことになってしまいます。そのため、音色をドラムにする必要があります。

音色をTTS-1のStandard Drumではなく、SI-Drum Kitにしておくと当然初めからドラムの音色が使えますので、以下ような面倒な操作は必要ありませんが、僕自身はSI-Drum Kitのリアルで生々しい音色よりも、TTS-1のStandard Drumのほうが曲に溶け込みやすい(いわゆる”オケ馴染みがいい”)のでStandard Drumを好んで使っています。
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TTS-1で音色をドラムに変更する

TTS-1でドラムの音色を使いたい場合、設定方法が2種類あります。

下のスクショを見てもらうとわかりますが、チャンネル1がPiano1、ドラムはチャンネル10に割り当てられているのがデフォルトですので、チャンネル1の音色を変更するか、チャンネル10を使うように設定を変更するかという2つの方法があります。

TTS-1 Default Screen

通常は、チャンネル1の音色をドラムに変更するのが手っ取り早いですが、もう一つのやり方として、もともとドラムの音色が設定されているチャンネル10を使うという方法です。

TTS-1のウィンドウの呼び出し方は、おさらいとして載せておきます。

TTS-1のチャンネル1の音色を変更する

TTS-1の音色変更方法は、音色名が表示されている文字のところを左シングルクリックすることでポップアップが表示され、音色が選択できます。

下のスクショのとおり、ドラムだけで9種類ありますので、いくつか試してみるといいでしょう。

Select Equipment
音色を選んだらどんな音かをデモ演奏で確かめるのがスマートだと思います。
自動演奏はTTS-1の一番下の♪ボタンを押すとデモ演奏をしてくれます。
音色の選択は、毎回音色名を左クリックして、メニューを辿っていくのが面倒だと感じると思います。素早い音色の変更方法として、音色名の上でマウスのホイールを回転させると、メニューを開くことなく連続的に音色を変更できます。

ドラムの音色が決定したら、TTS-1のウィンドウは閉じてしまって構いません。

TTS-1で使用するチャンネルを切り替える

デフォルトでピアノになってしまうTTS-1の音色をドラムに変更するもう一つの方法は、もともとStandard (Drum) Kitとなっているチャンネル10を指定する方法です。つい忘れてしまいがちなちょっと覚えにくい方法なので、備忘録的な意味も込めて記載します。

まず、TTS-1のトラックを作成すると、下のような画面になり、左側にはつまみがたくさん並んだ「インスペクタ」というものが表示されているはずです。
もし表示されていない場合は、キーボードの「I」を押すか、「表示」→「インスペクタ」で表示されます。

Inspector1

このインスペクタの下に、Display、Audio、MIDIという3つのタブが見えると思います。ここでMIDIのタブを選択すると下の画面のように変化するので、矢印で指した「C」という表示がされているところをクリックします。

Inspector2

するとTTS-1のどのチャンネルを使用するかを選択できるようになります。

Inspector3

ここでチャンネル10を選択するとTTS-1デフォルトでドラムセットのチャンネルを選択することができます。

  • Cakewalkに標準でインストールされている音源であるTTS-1は立ち上げてみると分かる通り、異なる音源を同時に16個指定することができます。
    このような音源を「マルチティンバー音源」といいます。
    TTS-1の中にある複数の音源を複数のトラックで使いたい場合に、
    ①トラックごとに別々のTTS-1を立ち上げて、それぞれのTTS-1のチャンネル1の音源を別々に指定する方法
    ②1つのTTS-1でチャンネル1~16に対してそれぞれ別の音色を設定して、トラックごとにそのTTS-1のチャンネルを指定して使用する
    という、2つの方法があります。
    どちらも結果は同じなので、トラックごとに別々のTTS-1を立ち上げてしまう方が簡単だと思います。
    ではなぜ②のような使い方が存在するのかというと、まだPCの性能が低かった時代に音源を複数立ち上げるとPCのリソースを圧迫する(簡単に言うとPCが重くなる)という事があったようです。
    現在のPCでも、100トラックといった大規模なプロジェクトを作成する場合は考慮する必要があるかもしれませんが、ここのサイトは初心者の方を対象としていますので、より簡単な①の方法で問題ないと思います。

ノートの指定

ノートの指定というとちょっと分かりづらいかもしれませんが、要するにスネアとかバスドラとかのことです。Cakewalkの公式マニュアルに”Note”という記載があったのでそのままノートとします。

ドラムの打ち込みで使うノートは、細かいこだわりがなければロック系では最低限このくらいではないでしょうか。

  • バスドラム
  • スネア
  • タムタム×3
  • ハイハット オープン
  • ハイハット クローズ
  • クラッシュシンバル
  • ライドシンバル

ステップシーケンサーではデフォルトで12のトラックが生成されますが、上記最低限の構成では9種類のノートで行けそうですね。

実際の画面で9種類のノートを指定していきましょう。
ステップシーケンサーを表示させた最初の状態では、ノートは次のように表示されているはずです。

Note Setting

ここはCakewalkに改善をお願いしたいところですが、ノート名は音階を示しているだけで、どれがバスドラムなのか、スネアなのかとか、全くわかりません。

この状態でノート名のところ、例えば一番下のC2と表示されているところをクリックするとその割当てられている音色が再生されます。C2はバスドラムのような音がしますね。
同様にD2をクリックするとスネアの音ですね。

このようにいちいちクリックして音色を確かめていくのは非常に効率が悪く、さらには、この表示されている12音全てを試すとわかりますが、クラッシュシンバルやライドシンバルは入っておらず、非常に使い勝手が悪いです。

ただ、C2(ノートナンバー36)とかD2(同38)とかは、規格で(おおよそ)決まっていて、ほとんどの音源はC2=バスドラム、D2=スネアと決まっています。
細かい話は省きますが、その規格さえわかればクラッシュシンバルやライドシンバルのノートナンバーがいくつなのか調べればいいわけです。

そのノートナンバーについて参考になるページがありましたので、ブックマークしておくと良いでしょう。

GM/GS/XG Drum Map

このリンクをもとにして、先程あげた9個のノートを指定しましょう。

  • バスドラム       C2(36)
  • スネア         D2(38)
  • ハイタム        D3(50)
  • ミッドタム       B2(47) 
  • ロータム        G2(43)
  • ハイハット オープン  A#2(46)
  • ハイハット クローズ  F#2(42) 
  • クラッシュシンバル   C#3(49) 
  • ライドシンバル     F3(53)

これを指定するには、ノートナンバーのところにある、①▲▼をクリックして指定する ②ノートナンバーをダブルクリックして数字を直接入力する ③ノートナンバーをシングルクリックしてマウスのホイールを回転させる のいずれかの方法でノートナンバーを指定してください。
ちなみに③の方法はホイールを回転させて数値を決定したあと、そのまま左クリックをしてください。左クリックを忘れると、別の場所をクリックした瞬間に元の数値に戻ってしまいます。

指定が完了した状態が以下のスクショです。

Note Select Done

この状態でもダメではないのですが、ノート名が音階のままなので、楽器を指定してしまいましょう。
ノート名のところを右クリックすると、メニューが表示されます。
そこで「行の名称を変更」をクリックすると、名称が変更できるので、F3は「Ride Cymbal」に変更しましょう。
F2キーでも名前の変更ができます。

Edit Row Name

変更した結果がこちらです。

Edited Note Name

これで打ち込みしやすくなりました。

ステップシーケンサーの設定

設定項目はいくつかありますが、特に重要なものを書いていきます。

設定はステップシーケンサーのビューの上に並んでいます。

SQ Setting

前提としてステップシーケンサーでは、同じ入力内容をを繰り返すときに使用するわけですが、その一つのかたまりを「パターン」と呼んでいます。

BeatsとStepとありますが、Beatsはパターンの中に4分音符をいくつ入れるか、Stepはそのビートをさらにどれだけ分割するかです。
1小節のパターンを作りたい場合はBeats=4、2小説のパターンを作りたい場合はBeats=8にします。

②はパターンを強制的に4分音符いくつ分の長さに合わせるかで、左の両端矢印のアイコンがその機能のON/OFFで右が、実際4分音符いくつ分の長さにするかです。

③は単音(Monophonic)にするか、複数同時発音可能(Polyphonic)にするかの選択で、ドラムパターンを打ち込む場合に限ると複数同時発音可能でないと都合が悪いと思います。例えばクラッシュシンバルはたいていバスドラムと同時に叩きますが、Monoにしてしまうとどちらかしか入力できなくなり、おかしなことになります。
和音を使わないベースラインを打ち込むのであれば、Monoでもいいかもしれません。

④は見ての通り再生と録音ボタンです。
ここにある再生ボタンは、ステップシーケンサーで打ち込もうとしているパターン内だけをループ再生してくれるので、非常に便利です。
録音ボタンはステップ入力という入力方法ができるのですが、MIDIキーボードがないとなかなか不便なので、割愛します。

⑤これは現在のカーソルの位置です。上の例でいうと3小節目の1ステップ目ということになります。

⑥は行を追加、削除です。プラスは新しいノートを追加、バツは削除です。

入力してみる

入力方法は非常にシンプルです。

左クリックでノートを配置し、右クリックで消去です。

上のスクショの④の再生ボタンを押して、ループ再生させたままトライアンドエラーで入力していくのが早いと思います。
ピアノロールでの入力でも同様のことはできますが、ループの範囲を設定したりするのが面倒です。

なお、同一の列(同じ音色)であれば、左ドラッグで連続入力右ドラッグで連続消去できるので、ツーバスのパターンを入力する際は左ドラッグ一発で入力できてしまいます。

Marged Note and Flam

次に、上のスクショを見てください。

①はノートがつながっています。これは2つのノートを入力後にCtrlキーを押しながら2つのノートをつなぐようにドラッグするとノートがつながります。(マージされる)
ドラムの打ち込みではあまり使う機会はないかもしれませんが、ベースの打ち込みではよく使うと思います。

打楽器であるドラムは、16分音符だけの入力で完結してしまう場合も少なくありませんが、ベースの場合は音の長さ、すなわち8分音符や4分音符を組み合わせる必要があります。その場合、16分音符のみのノートではブツブツ切れてしまうので、8分音符にしたい場合は16分音符2つをマージしてやる必要があるので、この操作が必要になってきます。

②はマークの中の横線が②分割されているのが分かると思います。これは左ダブルクリックで入力されるもので、「フラム」と呼ばれます。フラムとは、左右二本のスティックのタイミングと強さを微妙にずらして叩く奏法で、スネアやタムで時々使用されるものです。
スネアの場合、「タラッ」といった感じに聞こえます。

その他のパラメータ

Parameters

ノート名の左にある▶をクリックすると▼に変化してつまみが出てきます。

左から説明すると、ベロシティーは音の強さ、ドラムやベースの場合は音量と思ってもらってよいでしょう。全体的な強弱を変更します。
ノート一つ一つの強弱の付け方は後ほど解説します。

次にデュレーションです。デュレーションは音の長さです。打楽器はスタッカートのようなものは基本的にないので(ミュートはありますが)、ドラムでは変化はありません。

スウィングは文章で説明するのはかなり難しいですが、普通の8ビートが「ドンタン、ドドタン」だとするとスウィングは「ドットタン、ドットタン」と跳ねるようなリズムになります。
気をつけないといけないのは、実際に使用できる実用的な値は50~67の間ということです。この値を外れるとつまづきそうになります。

タイムはすべてのノートのタイミングを調整します。これもごく僅かにずらす分には機械的でなくなり人間味が出るのかもしれませんが、極端にいじると非常に気持ち悪いです。

最後のフラムは前述した、フラムの1打目と2打目の間隔です。これは曲のテンポによって微調整したほうがよいでしょう。当然ですが、フラムのノートがなければ全く関係ありません。

更に細かいパラメータ

ベロシティーはデフォルトでは100(設定可能範囲は0~127)ですが、ノート一つずつ変更することが可能です。すべて同じ音量だとメカ的で味気ないものになってしまいます。

一つ一つのノートのベロシティーを変更する方法はいくつかありますが、簡単な2つの方法を説明します。下のスクショを見てください。

Velocity Change1

方法① ベロシティーを変更したいノートのマーク、上のスクショでの赤で囲ったところにマウスのポインタを置いた状態でマウスのホイールを回転させるとベロシティーが変化します。

方法② 青で囲った中の任意の場所を左クリックすることでベロシティーを変更できます。

なお、連続的に変化させることも可能で、マウスの左ドラッグで波を描くようにすると下のスクショのようにマウスで描いた通りの滑らかな変化のベロシティーにすることができます。

Parameter Change 2

パターンが完成したら

パターンが完成したら、再利用できるように名前をつけて保存しておくと良いでしょう。

Save pattern

また、このパターンを曲中で何度も繰り返し使いたいという場合があると思います。

Select Block

上のように、ステップシーケンサーの画面でなく、トラックビューに移り、パターンが入力されているブロックの上部をクリックして選択状態にします。

この状態でキーボードでCtrl+Dを押すことで、現在のブロックのすぐ後ろに同じブロックがコピーされます。これをリピートさせたい回数だけ繰り返すことで簡単にコピーができます。

Copied Block

また、ブロックを選択状態にした状態であれば、右クリックすることで一般的なソフトのようにブロックのコピー、切り取りができ、カーソルのある任意の場所のコピーすることができます。

Block Edit

もう一度ステップシーケンサーで編集したい

一旦パターンを完成させたものの、あとから変更したいという場合もあるかもしれません。
その場合③つの方法があります。
上記のようにブロックを選択状態にしたあとで、
①キーボードでAlt+4を押す
②メニューバーから「表示」→「ステップシーケンサー」
③ブロック上端を右クリックしてコンテキストメニューを表示→「表示」→「ステップシーケンサー」

View→Step Sequencer

まとめ

ステップシーケンサーは、ドラムパターンのように同じパターンを繰り返すときのパターン作成が簡単に行えるツールです。

これを自由に使いこなすことでリズムパターンの作成が格段にはかどると思います。

特に同じパターンをコピーしたとき、元のパターンを修正すると、コピー先も反映されるのは非常に助かりますね。

他にも凝った使い方はできますが、かなりの長文になってしまったので、別の機会に続きを書きます。

ではでは

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