前回フレンズのドラムの打ち込みが終わったわけですが、今回はベースを打ち込んでいきます。
この曲のベースは基本的にルート弾きで派手に動く感じではないので、結構スムーズに打ち込めるのではないかと思います。
ベースは高橋教之さんですね。レベッカの他の楽曲では個性的なベースラインでなかなか聞いていて楽しいのですが、フレンズでは一転してシンプルなルート弾きで、NOKKOのボーカルを引き立たせているように感じます。
Wikipediaにレベッカ再結成のドキュメンタリーの事が書かれていますが、僕はこの番組をリアルタイムで見た記憶があります。しばらく音楽から距離をおいていた様子が語られ、驚いたことを覚えています。
曲の構成
曲の構成自体はシンプルなEマイナー、転調なしのストレートな構成となっています。
YouTubeを見ながらベースを注意して聴くとすぐに分かるのですが、弾き方はピック弾きに見えるものの、音は若干スタッカート気味に途切れています。
おそらくシンセベースなのではないかと思います。音色を再現するのがちょっと難しいかもしれません。
実際に弾いて再現するには指弾きのほうがこのニュアンスは出しやすいように思います。
では実際に打ち込んでみましょう。
音色の選択
音的にはエレキベースではなくシンセベースのようですので、TTS-1の中でそれに近い音色を探していこうと思います。
39-01にSynth Bass 1という音色がありますが、どちらかというと39-04のHammerという音の方が近いように感じたので、この音を使っていこうと思います。
よく聴くと軽くフランジャーをかけているようにも聞こえるのですが、打ち込んだあとに全体を聞いてみてエフェクトをかけたほうがいいのであればあとでかけようと思います。
TAB譜とフレットの表示
シンプルなルート弾きですので、楽をしようと思ったらステップシーケンサーで打ち込んでもいいのですが、なんとも言えないスタッカート気味な感じが最初から最後まで続くので、最初にこのニュアンスをしっかり作り、それをコピーしていく形にしようと思います。
このページでは、ギタリストのための打ち込みを想定していますので、ちょっと変わったCakewalkの打ち込みの方法としてベースのフレットを表示させ、TAB譜で表す打ち込み方法をやってみたいと思います。
「表示」→「譜面ビュー」または、Alt+6で譜面ビューを開いてみてください。
すると、下のように譜面とギターの指板が出てきたと思います。ギタリストにとってはこの上ない安心感ですね!

ただ、このパートはベースですので、ギターのフレットでは違和感があります。ですので4弦ベースにしましょう。
また、ギタリストにとって五線譜よりも馴染み深い、TAB譜も表示させましょう。

これで4弦ベースとTAB譜が表示されました。
コードの入力
これは好みの問題で、やってもやらなくてもいいのですが、コードを表示しておくとあとでコピーなどの再利用がしやすい場合があるので、コードを書き込む方法を書いてみます。
譜面ビューのツールバーにChordsというアイコンがあるので、それをクリックするとコードが入力できる状態になりますので、コードを記入したい場所にカーソルを合わせて書き込んでいきます。
フレンズの最初の4小節は、Em→C→D→D ですのでそのように記入したのが下のスクショです。

フレットを使った入力
前置きが長くなりましたが、ここから実際に入力をしていきます。
2小節目の先頭にカーソルを合わせたら、ツールバーの上の音符の選択が16分音符であることを確認し、音程はEですので3弦の7フレットをクリックします。
ここがややこしいのですが、本来はここは8分音符が連続していますが、1音の長さはスタッカート気味なので16分音符として指定しておきます。
すると譜面にEの4分音符が表示され、TAB譜には3弦に「7」が表示されていると思います。

ここは本来8分音符でなければいけませんが、4分音符が表示されています。ただここでは一旦それを無視して、カーソルを0.5拍(つまり8分音符1つ分)後ろにずらしてもう一音入力すると自動的に8分音符2つになります。
ややこしいので動画にしてみます。

ここはCakewalkの修正してほしい点ではありますが、はじめに4分音符よりも短い音符を入力しようとしてもはじめの1音だけは4分音符で表示されてしまいますので、その後に続く音の長さが何になるかで変わってくるということで、分かりづらいですね。
僕もどうしたら8分音符で入力できるのかしばらく悩んでしまいました。
とりあえず1小節作り、その後の編集はピアノロールのほうがやりやすいと思うので、これ以降はピアノロールで編集します。
編集
ピアノロールの表示は、「表示」→「ピアノロールビュー」またはAlt+3です。

この1小節をひたすらコピーして編集していきます。
コピーは8つのEをまるごと右ドラッグで選択して、Ctrlキーを押しながらドラッグするとコピーできます。ついでに音程をCにしておいてみましょう。

さて、こんな感じでコピーで楽をしながらイントロの8小節を作りました。

イントロはさらに全く同じベースラインで8小節あり、合計16小節ですが、ここでちょっと工夫します。
先のことを考えると、間奏ではイントロと同じベースラインが8小節です。
ですので、イントロは8小節×2回にしておき、間奏は8小節をコピーして使うという方法にしたいと思います。
8小節くらいになると、ピアノロールでコピーするよりもクリップ単位で編集したほうが楽ですね。
クリップのどこでもいいので選択状態にしてCtrl+Dが一番早いコピーだと思います。


これで8小節×2の16小節のイントロが出来上がりました。
便利な小技
アレンジャートラック
編集作業に便利な小技として、アレンジャートラックを紹介したいと思います。
本来はアレンジャートラックは名前のとおり、アレンジ作業を行うときによく使うもののようですが、今行っているようなシンプルな編集作業でも使ったほうが効率が上がります。
どのような機能かというと、大抵の曲は
イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ→間奏→ ・・・ →アウトロ
といった流れだと思います。
この、「イントロ」とか「Aメロ」というセクションに名前を実際に付けて、視覚的にわかりやすくするものです。
このようにセクションに名前を付けることで、例えば「2番のAメロは1番のAメロと全く同じだから1番のAメロからコピーしよう」ということが、わざわざ再生して場所を確かめなくても見た目でわかります。
やり方としては、まず名前をつけたい範囲をクリップの選択でもいいですし、タイムルーラーで範囲指定してもいいので、範囲を指定します。
その後、タイムルーラー上で右クリックすると「区間からセクションを作成」を選択し、セクションを作成、その後セクション名が表示された部分を右クリックし、「名前の変更」で自分でわかりやすいように任意の名前に変更します。
動画を貼ります。

一曲通してセクションに名前を付けると画面左端にこのような表示が出来上がると思います。

この並んでいるセクションは、自由に並び替えもできますし、コピーもできます。
セクション名をクリックすれば、そのセクションの時間にジャンプできます。
また、各セクション名の左をクリックするとそのセクションだけ再生できたりと、非常に便利です。
ぜひ使いこなしてみてください。
まとめ
今回のベースラインは基本的にルート弾きのかなりシンプルなラインでしたので実質的な作業時間は30分くらいでしょうか。
こうして徐々に曲の骨格が出来上がっていくと楽しいですね。
さて次からはぐっと難易度が上がってシンセパートです。がんばっていきましょう。
最後にまた、ドラムとベースまで打ち込み終わった状態の音をアップロードします。
ではでは
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