Cakewalkでフレンズを打ち込んでみる #4キーボード

Cakewalk By Bandlab

ドラム、ベースと打ち込みましたが、一番の難関が今回のキーボードです。

ギタリストにとってキーボードは謎が多いパートです。まぁキーボーディストにとってもギターは謎だらけでしょう。コードの押さえ方やらエフェクターの種類の多さなど。。。

今回キーボードのコピーをする上で難しさに気づいたのは、何と言っても音色の選択です。

ギターはギターの音をエフェクターで作り込んでいくので、慣れればどんなエフェクターを使っていてEQはどんなセッティングなのか想像できますが、キーボードの音はとにかく種類が多すぎてわかりません。

音色を探すのに時間を取られても仕方がないので、多少勉強して自分なりの解釈でキーボードの音の成り立ちを分類してみてそれに対応した音源を選択するようにしました。

・アナログシンセ系 70年代までのキーボードでよくある温かみがあり重厚な感じの音
・デジタルシンセ系 80年代以降の金属的できらびやかな音を得意とする感じの音
・サンプリング系  生音を録音してデータ化した音源

今回コピーしているフレンズはレベッカのリーダーの土橋安騎夫氏がキーボーディストですが、この方はYouTubeをみる限りYAMAHAのDX5を使っているようです。

DX5は名器DX7と同様のFM音源のシンセですので、デジタルシンセですね。さすがに有名なDX7はDAW用のエミュレーターも存在するのでそれを使うのが手っ取り早いと思います。

このDX7をエミュレートした無料のプラグインはdexedというプラグインですが、前回の記事でdexedのインストール方法を書いていますので参考にしてインストールしてみてください。

【初心者向け】Cakewalkに音源を追加する
Cakewalkはプラグインを使って音色やエフェクトをあとから追加できます。その方法を初心者向けに解説しました。
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音色の選択

メインの音色

dexedをインストールしてみましたが、パラメータを色々いじって音を作るなんて言うことはギタリストにとっては苦行でしかないので、プリセットから似た音色を探すほうがいいと思ったので探してみます。

途中でどうしても納得出来ないときだけ勉強しつつパラメータをいじることにします。

フレンズのイントロは印象的なシンセの音で始まりますが、dexedのプリセットではいきなり2番めの音色の「LAURIE」という音色がよく似ています。

どうしてLAURIEという音色がこんな音なのか全く理解できませんが、とりあえず良しとしましょう。

続いてAメロの途中にアクセントとして「コインあつ~め~て~」の直後に入っている音はLAURIEに似ているような気がしますが、もう少し硬い音のようです。

特に変わった音ではないと思いましが、いろいろ探しても、ちょうどいい音がなかったので諦めてTTS-1の中で探してみました。その結果、Synth Leadの中にある「Saw Wave」という音色が近かったので、この音と、更にTTS-1のEnsembleの中の「Syn. Strings1」をちょうどいい感じに重ねるとちょうどいい感じの音になりました。

続いてBメロの後ろで鳴っている打楽器系の音を探してみます。
「ほーら あーれはふたーりーのー」というところです。

こんな打楽器のようなアタックの強い音がFM音源の得意な音らしいので、なんとかdexedの中で探してみたいと思いますが、ここであることに気づきます。
とにかく音色が探しづらいし、なんか飛び道具的な音ばかりで使えそうな音が少ない!
昔の人はDX7で音色を探すときにこんなに変な音色から選んでいたのか?
という疑問が湧いてきました。

ネットで調べているうちにDX7のプリセットと同じ内容をdexedにインストールすることができるらしいということがわかりました。逆に言うとdexedにはDX7のプリセットは入っていなかったということに今さら気づきました。

知っている人は知っていたのでしょうが、「早く言ってよ~」という思いです。このことに気づくのに約1週間ほど費やしてしまいました。

ちなみにDX7のプリセットをダウンロードできるサイトはこちらです。

Yamaha DX7 patches | Yamaha black boxes online archive
This page contains downloadable Yamaha DX7 voice data as .sysex files, including factory sound banks and VRC cartridges.

するとようやくBRASSとかSTRINGSとか音色が想像しやすいものが出てきました。

dexed1

かなり回り道してしまいましたが、ようやくBメロの後ろで鳴っている音に合いそうな音が見つかりました。ROM1BのHARP 1ROM2AのCOW BELLを混ぜてみました。

なんかドンピシャじゃ無い感じですが、妥協します。。。

これで全面でよく聞こえるシンセの音は決まりました。
まとめると・・・

・イントロ dexed LAURIE
・Aメロの途中のアクセント TTS-1 Saw Wave + TTS-1 Syn. Strings1
・Bメロ dexed HARP 1 + dexed CowBell

メインではない音色

需要があるかわかりませんが、バックでうす~く鳴っている音色も探してみました。

多分なくてもそれほど気にならないかもしれませんが、もしかしたら音数が少ないフレンズの場合は入れないとかなり寂しくなるのではないかと思い頑張って音を拾ってみます。

まずAメロの「ぽけーっとの」の「ぽ」と同時に始まる単音のロングトーンですが、これもアナログっぽい感じだったのでdexedではなく、TTS-1のSpaceVoiceという音色にしました。

次によーく聴くとサビにも薄く入っていますが、これはdexedのBRASS 3という音色を使っています。

また、Gソロのところもかなり聞き取りづらいですが、やはりストリングス系が入っているように聞こえます。アタックがないので、これは厳しかったですが、ストリングス系は素直にSynth1を使い、そのものズバリStringsを使いました。

まとめます。

・Aメロのバック TTS1 SpaceVoice
・サビ dexed BRASS 3
・Gソロ Synth1 Strings

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打ち込んでみる

これまでドラムとベースを打ち込みましたが、キーボードの打ち込みはピアノロールで行います。

ピアノロールを使った打ち込みの方法は、過去の記事に記載していますので、こちらを参考にしてみてください。

Cakewalk最速で音を出してみる
とにかく簡単にCakewalkで特別な機材も使わずに打ち込みで音を出してみる手順を説明していきます。

キーボーディストであれば、各パートごとに自分でMIDIキーボードを弾いて打ち込んで、後でクォンタイズとベロシティーの調整でおしまいだと思いますが、キーボードが弾けない場合はひたすら聴こえたとおりに打ち込んでいく作業が続きます。

途中何度も心が折れかけますが、やはりオリジナルと同じ音が拾えると嬉しいですね。

Completed Screen1

トラック4~12までが今回打ち込んだキーボードパートです。

これは曲全体、全トラックを表示させたものですが、こうしてみると本当にシンプルな構成であることがわかります。

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全体の音量バランスの調整

キーボードのパートを全て打ち込んだらもちろん各トラックの音量の調整をします。

その結果、僕の場合はこんな感じになりました。

Volume Balance

ここでの注意点として、一度設定したはずの音量が再生を開始するとボリュームのスライダーがもとに戻ってしまう。ということがあります。

これは、音量も打ち込まれた通りの設定になってしまい、再生と同時にその設定通りの音量になってしまっているからです。

これはフェードイン・フェードアウトのように音量変化も曲の進行に合わせて自動で変化させるときには有効ですが、曲全体を通して音量を一定にしたいときはこのままでは変更ができません。

音量を一度設定してそのままにしたい場合は、各トラックまたは、コンソールで「R」のアイコンをクリックしてOFFにします。すると音量の設定を自由にできるようになります。

Automation OFF

トラックのエフェクト

ここまで打ち込んでみて音量を整えましたが、再生してみるとかなり違和感があるのがわかると思います。

どうでしょうか。恥ずかしいくらい変な感じですね。

エフェクトについて理解のある人であればわかると思いますが、トラックによってリバーブがかかっているトラックとかかっていないトラックがあり、非常に気持ち悪いです。

特にBメロのところはひどいですね。

TTS-1の音を使ったトラックは、もともとTTS-1で軽くリバーブをかけてくれる親切設計ですが、dexedやSynth1は純粋な音源であり、「エフェクトはお好みで」というスタンスなので、同時にこれらの音源を使うとこのようにおかしなことになってしまいます。

このため、dexedやSynth1のトラックにリバーブを掛けていきます。

本来リバーブは空間の残響をシミュレートするものですから、すべてのトラックに均等に掛けるのが基本だと思いますが、僕の場合はいい感じにアタックを弱くしたい場合にもリバーブを掛けたりするので、トラックごとに違ったリバーブのかけ方をするのもありなのではないかと勝手に解釈しています。

このようにリバーブは個別に掛けることもまとめて掛けることもありますが、すべてのトラックにかけたい場合にそれぞれのトラックにちまちま設定するのは非常に手間ですし、設定を変更するのも一苦労ですので、一括で設定することもできます。

Cakewalkに限らず殆どのDAWで同様のことはできるようですが、それについては別の記事にしたいと思います。

トラックへのエフェクトのかけ方(工事中)

で、なんやかんやエフェクトを掛けてできたトラックを聞いてみてほしいと思います。

もちろんガチのDTMerの方から見ればまだまだなレベルだと思いますが、先程のエフェクトなしの聞くに堪えないレベルではなくなったかと思います。

使ったエフェクターはベースとイントロのシンセなどにSonitus ModulatorをEnsembleモードでエフェクトをかけ、左右に広がりを出しています。

また、ダサかったBメロの打楽器系の音とサビの後ろで鳴っている音にかなり深めのリバーブを掛けてアタックを隠しています。

あまりいろいろ盛りすぎてしまうと収集がつかなくなってしまうので、一旦こんな感じです。

まとめ

今回はキーボードを打ち込み、エフェクトもかけてみました。

前回の記事に書いたとおり、やはり一番の山場だったのではないかと思います。

キーボーディストでない人がキーボードのうち込みは音色の選択、入力とも非常に時間がかかります。慣れれば多少は早くなるのかもしれませんが、こればかりは数をこなすしかありませんね。

エフェクトについても、必要最小限のエフェクトをかけただけですが、勉強していくと音圧を増すためのエフェクトとかすでにギターのエフェクターの知識の範囲を超えた物があるようで、いろいろ試していきたいと思いますが、すべての打ち込みが終わったあとにやってみたいと思います。

さて、次はいよいよボーカルを打ち込んでみたいと思います。

ボーカルの打ち込みというと初音ミクが有名だと思いますが、僕はあのいかにも機械音という雰囲気がどうしても馴染めなかったので、スルーしてきましたが、現在はもっと自然に聞こえる打ち込みボーカルがあることがわかりましたので、それを紹介しつつ打ち込んでみたいと思います。

ではでは

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