これまでCakewalkでの打ち込みの練習としてレベッカのフレンズをドラム・ベース・キーボードと打ち込んできましたが、今回ボーカルを打ち込んでみます。
僕もこれまでボーカルの打ち込みというと初音ミクのような、いかにも機械音というイメージがありましたが(それがいいんだ!という人、ごめんなさい)、Cakewalkで打ち込み関連のことを調べていくうちに初音ミク以外にもたくさんの歌声合成ソフトがあることがわかりました。
YouTubeなどで調べてみた結果、中には無料のものもあるということで試してみようと思いました。
無料の歌声合成ソフト VoiSona
歌声合成ソフトは有名所はVOCALOID&初音ミクだと思いますが、結構な値段です。
これまで打ち込みでオーディオインターフェースくらいにしかお金を使っていなかったので、歌声合成ソフトに大金をかけたくありません。
DAW関係の調べ物をYouTubeを徘徊しながらみていたところ、なんと無料の歌声合成ソフトがあり、なおかつVSTプラグインとしてCakewalkでも使えるものがあるというではないですか!
ただ、無料だということはクオリティーもそれなりかな?なんて思ってデモソングを聞いてみたところ更にビックリ。
急にボーカルの打ち込みをやってみたくなりました。
インストール方法
インストール方法と言っても特に難しいことはありません。
ユーザー登録が必要ではありますが、ユーザー名とメールアドレスを登録するとそのメールアドレスに本登録用のURLがあり、それをクリックして終了です。
今のところユーザー登録完了のメールと、新しい有料の歌声の配布が始まったというお知らせメールくらいしか来ていません。
インストールのための実行ファイルをダウンロードしたらあとはこれまでのVSTプラグインのインストール方法と何も変わりません。
なお、過去にVSTプラグインのインストール方法の記事を上げているので、そちらも参考にしてみてください。
なお、このVoiSonaもVSTプラグインのほかに、スタンドアローンのアプリケーションの2つがインストールされますので、WindowsのスタートメニューからVoiSonaだけを起動することができます。
これだけスタンドアローンで立ち上げても使い道的に厳しいと思いますが。。。
打ち込みの準備
最初にお断りしておくと、これを書いている時点ではすでにボーカルの打ち込みはすべて完了していて途中経過のスクショなどは取っていませんでした。ですので、実際に打ち込んだときの再現をシながらスクショを撮っていますので、もしかしたらスクショに矛盾があるかもしれませんが、そのあたりはご了承ください。
ボーカルのトラックを作成する場合もこれまでのベースやシンセパートを作成する方法と変わりませんが、インストゥルメントでVoiSona Song Editorを選択すればOKです。
なお、僕の場合はプラグインを整理するためにVocalというフォルダを作ってその中にVoiSonaを入れたので、通常の見え方と違うと思いますが、インストールが上手く行っていればこの中のどこかに見つけられると思います。
基本的な設定
さて、今回はフレンズという実際にある曲のコピーですので、お手本があるわけです。
レベッカのボーカルはNOKKOさんなわけですが、声質も歌い方も非常に個性的で当然100%完コピは不可能です。彼女の歌をソフト的に再現するのは僕が生きている間は無理じゃないでしょうか。
打ち込みを開始する前の設定ですが、下の画面を使って説明していきます。
これがVoiSonaの初期状態から、右上の設定アイコンをクリックし、グローバルパラメータを表示した状態です。
はじめに設定して置かなければならないのは、グローバルパラメータでもっとも重要なのはAlphaと表示されているところで、これで声の質が決まります。
初期状態は中央ですが、上にずらしていくと大人っぽい太い声になり、下にスライドさせると子供っぽい軽い声になります。
今回は一応NOKKOさんの明るい声質に寄せるために下めいっぱいに設定しました。
Vib Amp.とVib Frq.はビブラートの振幅と速さです。
Huskinessは声のハスキー具合です。正直使わないと思います。
あと、注意しなければいけないのは画面左にTEMPOがありますが、基本的にVoiSonaを開いたときにもとの曲のテンポが反映されるはずですが、なぜか一度デフォルトの120.0のままになっていて、再生したところ楽器隊と全く違うところをボーカルが歌っていて???となったので一瞬戸惑いました。
楽器隊とボーカルのタイミングが全く合わない場合は個々を確認してください。
また、便利機能としては、左上にKeyを設定するところがあります。これは特に設定しなくても何も支障はありませんが、指定しておくとキーに合った音程のところだけがカラーで表示され、キーから外れた音はグレーになるので、キーやスケールについて苦手な人はここを設定しておくといいと思います。
なお、VoiSonaを無料で使用する場合、使うことができるキャラクターはここで表示されているChis-A(知声)のみで、Chis-A以外のキャラクターは有料です。
実際の打ち込み
ノートの入力方法
VoiSonaで音を並べるのはもちろんこの画面でも行えるのですが、少し試して僕は別の方法で行うことにしました。理由は3つ
①VoiSonaの画面では今現在曲のどの部分を打ち込もうとしているのかが分かりづらく、Cakewalkの画面と行ったり来たりになり、ストレスとなったからです。
②音程を確認する手段が実際に音を置くまでわからず、マウスで音を起きながら音程を確認するのが面倒で、キーボードで音を鳴らしながら、一発でマウスで音を置くという方法ができなかったこともあります。
③音の並べ方はCakewalkのピアノロールで慣れてしまっていたので、今更VoiSonaのエディターで「3連符とかどうやって打ち込むんだろう?」とか悩みたくなかったからです。
で、どうしたかというと、VoiSona側には「インポート」があるので、Cakewalk側で音の並べたあとにVoiSonaに流し込むという方法を取りました。
やり方としては、Cakewalkでダミーのトラックを作り、ピアノなどの適当な音色でボーカルの音程のトラックを完成させてしまいます。
本来はここで、このダミーのトラックだけMIDIファイルとして書き出したかったのですが、Cakewalkにはなぜか1トラックだけMIDIファイルに書き出すという機能がないらしく、仕方なく別の空のプロジェクトを作成して、このトラックだけコピーし、ボーカルの音程だけ入った1トラックだけのプロジェクトをMIDIファイルとして保存しました。
このMIDIファイルをVoiSonaにインポートしました。
楽をしようと思ってやってみましたが、1トラックだけMIDIファイルとしてエクスポートできなかったので、ひと手間増えてしまい意味があったのかビミョーな感じになってしまいました。
で、インポートした直後がこんな感じです。
他の歌声合成ソフトはわかりませんが、VoiSonaは音階をインポートすると歌詞は音階が入力された状態です。
歌詞の入力方法
この音階を歌詞に替えていくわけですが、ノートを一つずつダブルクリックすると歌詞が入力できますが、これでは効率が悪いので、まとめ選択ツールで範囲選択をしてからF8を押すことで歌詞のまとめ入力ができます。
まとめ入力はひらがなを1文字ずつスペースを入れながら入力する必要があるので、大変ではありますが、一音ずつダブルクリックしながらよりは早いです。
なお、「を」は「お」でも、「を」そのままでも大丈夫ですが、主語を表す「~は」は当然「わ」と入力する必要があります。
なお、サビに出てくる「どこで 壊れたの oh フレンズ」という歌詞の「フレンズ」の部分が、一文字一音になっていないので、かなり困りましたが、公式にマニュアルをみるとあっさり解決方法が書いてありました。
それは英語を直接入力するというもの。
このソフト優秀過ぎます。下に何も補正していない状態を貼り付けてあるので、聞いてみてください。(41秒付近です)かなり英語部分が自然に聞こえます。
ベタ打ち状態の確認
歌詞を打ち込んだだけで何も調整していないことをベタ打ちとかスッピンと呼ぶそうですが、その状態で一度チェックしてみましょう。
どうでしょうか。声の質はかなり明るめにしましたが、それでももとのChis-Aの中性的な感じが残っています。変声期前の男の子のようにも聞こえます。
歌い方もデフォルトのままでは何の飾り気もないどストレートな歌い方で、まぁこんな歌い方する人もいるかなーくらいの感じで、いかにも機械音という感じはあまりないと思います(個人の感想です)。
逆に細かいところが気になってしまいますね。
VoiSonaでは、他の歌声合成ソフトと比較して調整できるパラメータが多いらしいです(DAW系YouTuberが言っていました)。
ですのでいろいろいじって自然な感じにしていきたいと思いますが、主に触れるところは、
①タイミング ②音量(声量) ③ピッチ ④ビブラート ⑤声質 ⑥ハスキー具合 ⑦ダイナミクス
といったところです。
他にも母音の発音を消したり、ファルセット(裏声)、ザラつき付加 といった事もできるようですが、今回はその必要性はなかったので、特に試していません。
調整
最もよく使うのはピッチとタイミング、ダイナミクスかと思います。
ピッチは画面左のペンツールを使って線を引いていく感覚で描いていくことで、デフォルトのピッチを修正していきます。気に入らなければペンツールのまま右ドラッグすれば消しゴムに変化しすぐにどフォルトのピッチに戻ります。いちいち消しゴムツールを選択し直す必要がなく楽です。
赤の○で囲ったところがピッチを修正したところです。
ピッチの修正は、しゃくりあげて歌わせたいときや、デフォルトでは何故か妙に半音近く高い音で歌ってしまうことがあったので、それを修正しました。
次にタイミングの補正をします。
上のタブからタイミングを選択すると、タイミング補正画面に切り替わり赤の縦線がたくさん出てくると思います。
この縦の赤いラインを左右にドラッグすることでタイミングを早くしたり遅くしたりできます。
下のスクショでは画面左半分は上から下まで赤いラインなので補正なしのデフォルトのまま、右側はラインが黄色く変わっていますが、これは自分でタイミングを補正したあとということになります。
この部分はデフォルトのままだとストレートすぎておもしろくなかったので、タメをつけるためにタイミングを微妙に遅らせました。
あと、表現の幅を広げるのがDynamicsです。
下のスクショのように、任意の位置でDynamicsのところをダブルクリックすると強弱記号をつけることができます。
スクショの例では「ppp」(ピアニッシッシモ)に変更しようとしているところです。
強弱の範囲は最も弱い「pp pp」から「ff ff」まで11段階つけることができます。
ハモリパート
この曲はサビにハモリが入っていますね。
普通に音を2つ重ねて入力しようとしたところ、もとのノートが消えてしまいました。
要するに一人で出せる声は一音なんだから、ハモリパートは別のトラックを作りなさい。ということのようです。たしかにその通りなんですが面倒です。。。
まぁ、よくハモリパートだけコーラスのエフェクトをかけて、イコライザーで高域を持ち上げたりすることがあるので、別トラックにしておいたほうがあとが楽かもしれませんね。
まとめ
なんやかんや調整しましたが、この手の調整はいくらやってもキリがありません。
ほどほどにしてまぁなんとか形になったと思います。
ガチ勢の方々からはダメだしされるレベルだとは思いますが、今の僕の実力ではこのくらいでしょう。
ギター以外のパートの打ち込みが終わったので、ギターカラオケとしては使えると思うので、ギターを録音していこうと思います。実はこれが一番厄介かもしれません。何しろ失敗しますから。。。
ではここまで打ち込んだ状態のオーディオファイルを貼ってみます。
今までオリジナルの音源を後ろで小さな音で流していましたが、今回はボーカルまで入れたので、オリジナル音源なしです。
楽器をマスターするのもまずはコピーからといいますが、DAWをマスターするのも曲をコピーするのがいい練習になるのではないかと思います。
その意味では、勉強になった部分もありますが、まだまだプロはどうやっているのだろうとわからないところもたくさんありました。
これからもっと使い込んで自由に表現できるようになっていきたいと思います。
ではでは
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