Bias FX 2やAmplitubeのようなアンプシミュレーターはアンプのイコライジングやキャビネット/スピーカーまでシミュレートしてしまうので、そもそも決まった癖のようなものが存在しません。
ギターアンプというのはオーディオとして見るとかなりのLo-Fi(つまり低音質)で、何かプレイヤーをギターアンプに繋いで音楽を再生してみると、びっくりするくらいひどい音だということが分かると思いますが、これがギターアンプの特性です。
話をもとに戻して、そんな感じでPCのような通常のオーディオ環境とギターアンプのような環境ではどうしても違うものなので、通常のオーディオ環境でアンプのような音を再現するというのは実は面倒なことなわけです。
どういうことかというと、音を出力する環境によってすべてのパッチでこもったような音になったり、逆にすべてのパッチでスカスカな音になってしまったりということになり、使い始めて早々に
なんだか全部使えない音やん・・・という勘違いをしてしまう可能性があります。
このようなことでアンプシミュレーターが全部ダメと思ってほしくないため、音作りの基本を書いていきたいと思います。
流れとしては、素の状態でBias FX 2の音のクセを掴み、そのクセをグローバルセッティングで補正をすることで、その後の音作りをスムーズにしていくという流れです。
プリセットをチェック
まず最初は、現在のサウンドの再生環境をチェックしていきます。
Bias FX 2を使用しているということはPC(またはiPhone, iPad)からスピーカーまたはヘッドホンを使って再生している人がほとんどだと思います。
さすがに「ギターの音を出すのだから、PCからギターアンプに繋いでいるぜー」という人はごく少数だと思います。(それはそれでありだとは思いますが)
とにかくまずは自分のPCの環境で、「素のBias FX 2の音」がどのように感じられるのかを確認していきましょう。
Demo版ですと使えるプリセットはRockに2つ、Insaneに1つ、Bassに1つ、Acousticに1つの合計5つですが、BassとAcousticを除くと実質3つのプリセットしか使えません。
この3つのプリセットをイコライジングなど音質を全くいじらない状態で軽く弾いてみましょう。
このとき下の画面のように、「OUTPUT SETTING」がオフになっていることを確認してください。

Rockの「Pure Plexi」や「British Dirt」は、’69 Plexiglas V2というアンプでいかにも古いマーシャルですが、公式で調べてみるとMarshall Super Lead 100だそうです。
Demo版でもう一つInsaneというバンクにある「Take the Time」というパッチも試し引きしてみましょう。ちなみにこのアンプは見た目通りMesaのトリプルレクチです。
さて、これらのプリセットを弾いてみて(有料版購入済みの方は使用可能な他のプリセットも試しても構いませんが)どう感じたでしょうか?
「どのパッチもヌケが悪くもこもこしている」とか、
「全体的に低音が足りない」とか、
どのパッチにも共通して感じられる音質のクセがないでしょうか。
この共通して感じられるクセが、現在の自分の環境のクセですので、これを補正してやる必要があります。
グローバルセッティングを使った補正
補正を行うにあたってはもちろんイコライザーを使うわけですが、各パッチの中に毎回補正のためのイコライザーをかけるのはとても気持ち悪いと感じるはずです。
そのために、パッチを切り替えても影響を受けない、いわばパッチの外側でイコライジングをしますが、これをグローバルセッティングといいます。その設定方法です。
画面下の中央より右にある、「OUTPUT SETTING」をONにして、その後すぐ左の縦線が4本並んでいる四角をクリックします。

すると別窓が開きます。
一番上はDirect Outを選択してください。これでキャビネットを含めたエミュレーションが有効になります。念のため、一番下のPre AmpなどはすべてON担っていることを確認してください。
そしてEQ CompensationをONにして好みの音にイコライジングしてください。

僕の環境では低音が強く、抜けがイマイチに感じたのでこのようなセッティングにするとプリセットの音がいい感じになりました。
完了したらこのGlobal Settingの小窓以外のところをクリックすると小窓が閉じられて「OUTPUT SETTING」が下のような表示に変わっているはずですので、これで完了です。

Bassを少し下げてResonanceを上げたことが視覚的によくわかりますね。
まとめ
Global Settingは必須な設定ではなく、毎回自分好みのイコライジングで音を作るから関係ないと思う人もいるかも知れません。
しかし、最初から音を作るのが面倒なのでプリセットで近い音を探して、それをいじって音を作りたいという人や、目玉機能であるTone Cloudからパッチを落としてきて遊びたいという人は、Global Settingをやっておかないと、想像通りの音にならないと思います。
また、自分の作った音をTone Cloudに公開したとしても、その音をダウンロードした人はあなたが作った音とかなり違う音で聞こえることになると思いますので、ぜひともこの機能を有効に使ってほしいと思います。
ではでは
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