PC用アンプシミュレーターソフトでユーザーが多いと思われるAmplitube 5とBias FX 2ですが、いろいろな人が比較をしていると思います。
まぁ影響力の大きそうな人ほど、最終的には「お好みで」的な結論が多いように思います。
ここでもAmplitube 5とBias FX 2の比較をしてみたいと思いますが、音は主観によりますし、皆さんに聴かせられるほどの腕があるわけではないので、もう少しだけ客観的な視点で比較してみようと思います。
もしここで紹介する機能で「これはいい!」と思うものがあれば、それを参考に購入してみてはいかがでしょうか。
もしかしたら僕が使い込めていないだけで、間違った情報があった場合は優しくコメントで教えて下さい。。。
Amplitube 5特有の機能
マイクセッティングが細かい
これが好きでAmplitube 5を使っているという人も結構いるのではないでしょうか。
キャビネットを選んだだけではBias FX 2とそれほど変わらないセッティング画面ですが、VIR Techなるアイコンをクリックすると3次元的にどうにでもセッティングできるモードに切り替わります。
比較できる耳を持っていないので、確かなことはわかりませんが、4発のキャビの場合、マイクの位置によっては隣のスピーカーからの影響も受けるようなことが見た目でわかります。

更に、例えば4発のキャビネットの場合、4発全てのスピーカーをとこなる種類にできるという、使いこなせる人がいるのかわからない変態仕様。
沼にハマりそうで怖くて試していません。。。
一方のBias FX 2は4発のキャビネットを選択してもセッティング画面ではスピーカーは1個しか見えないので大きな差があります。

また、キャビネットが置かれている環境(部屋、スタジオ、ホールなど)も選べ、中にはなんと「トイレ」や「地下鉄」も選べるというカオス状態。
実際に機材を持ち込んで反響を解析したのでしょう。ご苦労さまです。

絵まで凝りすぎです。
8トラックMTR
これはDAWを使わずにAmplitube 5だけで完結させたい人にとっては便利な機能だと思います。
最大8本まで重ねて、それをプロジェクトファイルとして書き出せるようですね。
バッキングを2回録って左右に振りつつ、ツインリードとベースを重ねればそれだけで5トラックですからこれだけでもなかなか遊べると思います。
ただ、ここまでできるのであればおまけ程度で構わなかったので、ドラムマシンも欲しかったかな。
IK Multimediaの誇るMODO Drumみたいな。

MIDIでのコントロールが充実
MIDIを使ったコントロールはAmplitube 5特有の機能ではなく、Bias FX 2でもできますが、Amplitube 5のほうがかなり細かいコントロールが可能です。
プログラムチェンジによるパッチの選択もできますし、コントロールチェンジを使ってパラメータをいじることも可能です。
これだけ設定できれば実際のライブにも十分使えるのではないでしょうか。
セッティングの簡単さについては後で検証してみたいと思いますが、ソフトによってそこまで変わらないでしょう。
下のスクショはコントロールチェンジを設定する画面です。

Bias FX 2特有の機能
Rewind
これは最近のアップデートで実装された機能で、はじめはなんだかわかりませんでしたが、要するに勝手に録音をしておいてくれるというものです。
どういうことかというと、最近の5分の演奏を勝手に録音しておいてくれて、あとで「さっきかっこいいフレーズを思いついたんだけど、どんなだったっけ!うぉぉぉ忘れたー!」ということから救ってくれるものです。
録音時間は5,10,15分の3つから選ぶことができ、その設定時間分直近の演奏を残しておいてくれます。
もちろん再生するだけでなく、エクスポートすることもできます。
エクスポートする際も必要な部分だけトリムしてエクスポートできます。
作曲する人にとってはとてもありがたい機能ではないでしょうか。
一つだけ注文をつけるとしたら、録音データは生音を録音しつつ、再生時にエフェクトを色々いじれたら音作りもかなり楽になると思いますね。どうでしょう>Positive Gridさん

Music
Musicと書かれても「はぁ?」だと思います。
今回一番驚いた機能がこちら。
Youtubeの音楽を再生しながらそれに合わせて弾くことができるという機能。
これだけ聞くと全然大したことがないように思いますがこんな事ができます。
- コードを先読みで解析して表示してくれる
- そのコードの押さえ方も表示してくれる
- 任意の区間を指定してループ再生できる
- ループ区間もしくは曲全体の再生スピードを x0.5 x0.7 x1.0 から選択できる
こうして文字にしてしまうとやはり凄さが伝わらないような気がしますが、一人で黙々と練習するには最高に便利な機能です。
あえて難点を言うと、Youtube以外の自分の持っているCDやCDから作成したmp3なども再生できれば最高だと思いました。

その曲のコード一覧も表示できます。

僕の若い頃にこんなものがあれば今頃凄腕の・・ブホッ
いい時代になりました。
GUITAR MATCH
これもBias FX 2のウリの一つですね。
こうして並べると「MUSIC」とか「GUITAR MATCH」とか、もう少し刺さるようなネーミングにできないものでしょうか>Positive Grid様
これを最初に試したときは度肝を抜かれました。
アンプをシミュレートするものは今や市民権を得ていますが、ギターをシミュレートするというタブーの世界に足を踏み入れてしまいました。
まだ試したことのない方に一言で説明すると、
ストラトでレスポールの音をシミュレートする。レスポールでストラトの音をシミュレートする。
という楽器屋を潰しかねない機能です。
設定方法は別記事にしようと思っていますが、簡単に言うと自分のギターのピックアップタイプを選び、そのピックアップごとに指示されたとおりに6本の弦を鳴らして解析させる。というものです。
かかる時間は1本3分ほどでしょうか。解析が終わるといくつかのタイプのギターのシミュレートされた音を聞くことができます。
僕のギターは2ハムですが、一番遠いタイプのテレキャスを選んで弾いてみたらなかなかいい感じのパキパキしてなおかつパワーも落ちた感じの音になりました。

これを自分のギターとイコライジングだけで作ろうと思っても(普通作ろうと思わないけど)かなり難しいのではないかと思いますが、それらしい音が簡単に作れました。
最終的にはシミュレートされた音に対するイコライジングのプリセットもできるので、もっと癖を強くしたいということもできますね。
GUITAR MATCHの設定方法をまとめたページを作ってみました。
GLOBAL SETTINGS
これはBias FX 2特有の機能というよりも、なぜAmplitube 5にはないのか?という機能です。
というのも、僕はBias FX 2とAmplitube 5を持っていますが、DAWはCakewalk By Bandlabを使っていて、付属しているアンプシミュレーターでTH3というものも試しています。
無料のDAWに付属しているような(失礼!)TH3にすらグローバルセッティングはあるのに、なぜ歴史のあるAmplitube 5にはないのか不思議で仕方がありません。
Amplitube 5をバリバリ使いこなしている方で「いや、あるがな!」と教えてくれる人、いませんか?
ここでグローバルセッティングについて説明しておきたいと思います。
あるアンプシミュレーターを使っていて、どのプリセットパッチを使ってもどうも音がこもり気味だから低音を絞って高音を上げたい。でも毎回低音を絞って高音を上げるのが面倒くさい。もともとどのパッチにも効く、パッチを切り替えてもずっと保持されるようなイコライジングをしたい。というニーズがあるはずですが、Amplitube 5にはそれがなく、Bias FX 2やTH3にはあるというものです。
Amplitube 5の場合はまさにその例の通りで、どのプリセットもモゴモゴしていて、そのまま使い物になるのは殆どありません。Bias FX 2もその傾向はあるものの、グローバルセッティングで調整できるので一度設定してしまえばあとが楽です。
Bias FX 2にこの設定があることで、音作りがAmplitube 5と比較して体感で3割くらい早いと思います。


まとめ
Amplitube 5とBias FX 2の機能の比較でした。まとめると、
Amplitube 5の特徴的な機能
- 細かなマイクセッティング
- 8トラックMTR
- MIDIコントロールが充実
Bias FX 2の特徴的な機能
- Rewind
- MUSIC
- GUITAR MATCH
- グローバルセッティング
音の比較は正直セッティングの追い込み方次第でどうにでもなる上に、あくまでの主観的なものなので、そのような比較はしていません。
あえて機能で比較してみたので、この中でどうしても使ってみたい機能があるという場合はそちらを選ぶしかないでしょう。
Amplitube 5はCSという無料版、Bias FX 2はLEという無料版があるので、迷ったら両方インストールして試してみたほうがいいと思います。
Amplitube 5 CSは残念ながらVIR Techは使えませんが。。。
ではでは
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